2021/10/30    わが家の食卓
 
 共に暮らして40年も経つと晩飯もかなりの回数になる。若いころは外食も多く、旅先でも食したし、伴侶が重度のアトピー性皮膚炎にかかっていた数年、料理を作れない時期もあった。それでも1年のうち約300回を食べたとして1万回は越える。
 
 私たちは和食が好きなので、晩飯の献立はずっと日本料理中心。月に1度カレーライスや八宝菜も食べるが、焼き肉は10年以上食べておらず、若いころも1年に一度くらいしか食べなかった。
牛肉は肉じゃがに使うか、糸こんにゃくと一緒に煮るか、セロリのオイスターソース炒めに使うか、糸こんにゃくの料理以外は野菜をたっぷり入れる。肉は野菜の味をひきたてるためのダシ。
 
 伴侶はガステーブルの火3ヶを使い、煮物、和え物、炒め物などを同時に作った。小鍋、取っ手つきの雪平で煮炊きものをしながらフライパンで別の料理を作る。おかず5種類を50分ほどで完成させてしまう。手際のよさと味つけを両立させるマジシャン。食洗機がなかったころ後片付けも早かった。猛スピードで食器を洗うすがたは鬼神。
 
 おかずで昔も今も欠かさないのは絹さや、三度豆など緑野菜の胡麻和え、ポテトサラダ。野菜はそのへんのスーパーやデパ地下で調達するが、胡麻だけは高級品を使っている。煮物や味噌汁にはかつお節、ダシ昆布をふんだんに使う。
 
 酢の物も晩メシの定番。酢れんこん、酢ごぼう、きうりとちりめんじゃこ、わけぎとイカの酢味噌和え。タコは使わない。2年半前まで酢の物にワカメを入れたが、副甲状腺を切除摘出してから海藻類を避けている。
 
 寒くなると「おでん」の季節。大根、厚あげ、じゃがいも、こんにゃく。男爵は煮崩れするのでメークインを使う。関西風薄味。薄味だがしっかりした味つけ。素材の特性を生かすには薄味が向いている。2回分食べられるよう具は2倍。1回目は上品な味。2回目は味がしみてコクが出る。どちらも甲乙つけがたい。
 
 豚肉の生姜焼きは近年食べるようになったが、暮らし始めたときから野菜中心の食卓。肉より魚。サワラやサバ、サーモン、ブリは焼き、カレイやタイは煮つけ、アジはムニエル。たまにイワシのフライ。野菜は大根、人参、タマネギ、ナスビ、冬瓜、カボチャ、シロナ(またはチンゲンサイ)、白菜、トマト。
キャベツとじゃがいもの炒め物。じゃがいものオムレツ(塩味のみ。伴侶はスペインオムレツと呼んでいる)。家庭料理の基本は安価、簡単、美味、そして飽きがこず、癒やされること。
 
 2020年1月中旬から現在(2021年11月上旬)まで外食は避けている。ワクチン接種後も行っていない。世の中がおちつき、外食の不安が払拭されれば考えたい。寿命との戦いという面はあっても。
昭和や平成前期に比べると手頃な料金でおいしいものを提供する料理店が激減した。ほとんどの和食料理店は味つけが昔の駅前旅館とか、ヘタな料理人がつくるおせち料理なみで食べに行く気がしない。

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