荒涼たる風景をみれば自分の心の風景に思いをはせ、のどかな風景に出会えば安堵する。旅とはそういうものだ。
ぬけるような青い空とひなびた民家をみながら暗いことは考えまい。愛憎半ばするなどというが、親子、夫婦間の
愛がこわれたら、愛を捨てることも憎しみを捨てることもできず、愛50%、憎しみ50%という状態ではなく、
愛100%、憎しみ100%状態のまま、許すことも失うことも拒みながら日々を過ごさざるをえないのである。
 
つらいといえばまことにつらい、だが、、そういう経験をすることで空の青さ、まばゆいほどの木々の緑に目を見張るのだ。