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旅の快適さは観光客の少なさに比例し、ドライブの喜びは車の少なさと変化にみちた景観に依る。
ところが南イングランドのデヴォン州シドマスの夏は観光客は多いし車も多い。決して快適とはいえない環境のなかにも魅力はある。
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シドマス・フォークウィークは期間内に約700の多様なイベントが用意される。ワークショップ、ダンス、各種エンターティメント、
工芸活動、コンサートなど。
1955年、シドマス祭として民族舞踊をおこなったのが始まりで、その後海外からの出演も加わり、1986年以降は
シドマス・インターナショナル・フェスティバルに改称、毎年65000人以上が期間内に訪問。
1995年から若年層のワークショップが開かれ、若い演奏者を育てるネットワークも広がった。
2005年にシドマス・フォークウィークに改称され現在に至っている。
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シドマスの人口は約12000人だが、この1週間で延べ5倍以上にふくれあがる。
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チャンスがあって生かすことができれば、うまくいくだろう。そして気分も明るくなるだろう。
シャッターチャンスも同じで、逃さず撮ることができれば気分もいい。
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イングランド有数の保養地トーキー(Torquay)の西数キロにあるコッキントンはアガサ・クリスティが自転車で通った美しい村。
18世紀ごろ造られた茅葺き屋根が特徴。ウィーバー(Weaver)は機織り職人、かつてこの小屋に機織り職人が住んでいた。
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現在の機織り職人の小屋は年中無休のティーハウス。コーヒー、軽食などもあって客足が絶えない。
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ドラム・インという名のパブ&レストラン。ここも年中無休で、建築家サー・エドウィン・ラッチェンスが1936年に設計。
設計者はともかく、料理の味はよくないということで撮影だけ。
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ダートマスの港から古くは十字軍、新しくはノルマンディ上陸作戦の英米軍の船が出航した。
そんな港町とは思えない可愛いパブがある。
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ローズムーア・RHS・ガーデンの歴史は1988年、アン・ベリーから王立園芸協会=RHSに寄贈された8エーカー(9600坪)に
始まる。園芸協会はおよそ10年間で65エーカー(78000坪)に広げた。※RHS=The Royal Hortcultural Society※
ローズムーアはA386とB3227の交差するグレイト・トリントン村(Great Torrington)南部にある。
Rosemoor RHS Garden は2011年初夏に撮影。
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北デヴォンの森のホテル。隠れ家。海と森の豊潤な香りが互いの調べを保ちながら混じり合う。
ひねもす野鳥とあそぶ。何も考えない。ただそれだけの日々。
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北イングランドのヨークシャー・ムーアは有名で規模もここより大きい。しかも北海に近いこともあって夏でも風は冷たい。
夏のダートムーアはどこかしらあたたかく、あっけらかんとしている。
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ダートムーアはこの地を水源とするダート川(River Dart)と荒地ムーア(Moor)にちなんで命名された。
全域の標高がほぼ600m。大地からつきだしているのは花崗岩である。すなわちダートムーアは花崗岩の大地なのだ。
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ダートムーアにいると遙か遠くに来たという感がわいてくる。遠くにいることはステキだと思えてくる。
大地は広い。空はさらに広い。都市部でそういう思いにひたることはない。
そこにいると、デヴォン州のカントリーサイドとロンドンやバーミンガムのような大都市を較べるのは意味がないと気づく。
東京や横浜と安曇野、美瑛などを較べるのは意味がないように。
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ダートムーアには12ー13世紀ごろに建てられた教会跡が何カ所かあって、中世の名残をとどめている。
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夏が終わりを告げ、秋が忍び寄ってくる8月半ば、ヒースの咲く荒野はうめき声をあげる。
ダートムーアをわたる風がこんもりした草陰にもぐり込み、苦しまぎれに出ようとするからだ。
そういう光景は北イングランド・ハワースのムーアと酷似する。異なるのはハワースほど寂寞としていないことである。
「嵐が丘」の舞台にふさわしいのはダートムーアではなくノースヨークシャー・ムーアだ。
ほどなく日は沈み、夏には似つかわしくない冷気があたりをおおうだろう。地表に明るさが残っていても。
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