子供の値打V
子供の値打V
 
人はこの世に生をうけ、長いような短いような時を過ごす。子は三歳までに親に恩を返すという。
親にとって子とは、子にとって親とは何なのか、家族とは何なのか。この八年間、
私はずっとそのこたえを追い求めてきた。
 
子供の値打V
子供の値打V
 
大阪心斎橋あたりに「近松」という料亭があった。55年ほど前の昭和30年代初めのことである。
少女は昼間「大宝幼稚園」に通い、夕方、料亭の営業開始が近づくと、仲居一人一人の膝に
すわりにいった。それは少女と仲居たちとの間で日課となったふれあいであり、
両者の絆の深さのあらわれだった。

PAST FUTURE