|
2011年12月7日 紅葉終了間近い岩倉・実相院と詩仙堂近くの圓光寺
実相院の史料には「近衛基通の孫・静基を開基として1229年、紫野に創建され、いったん五辻通小川に
移転された後、応仁の乱の戦火をのがれるため岩倉に移った」というようなことが記されている。
宗派は単立、いわゆる門跡(皇族や貴族が住職を務める)寺院である。
幕末、岩倉具視が一時住んでいたらしい。
江戸時代、後水尾天皇や東福門院(後水尾帝の中宮 徳川秀忠の娘)の御幸もあったというが、
21世紀のこんにち屋根は傾き、床はめくれ、「ゆかモミジ」の名だけで観光客を呼んでいる。
しかしながら「ゆかモミジ」は撮影禁止。写真集や絵はがきの売り上げにひびくからだろう。
石庭でもなく、手入れが行き届いているわけでもないのに、庭に降りられない。
ゆかモミジの画像をHPやブログにアップすれば、ぜひ行って確かめたいという人で拝観数も増えるだろうに。
龍安寺もどきの庭。石の数は龍安寺より多い。1970年前後、実相院は一般公開されていたのだろうか。
瓦屋根からアンテナの飛び出してみえるのがなんともはやツヤ消し。色あざやかな紅葉との対比に寒心。
詩仙堂からすぐの圓光寺はいつのころからか拝観できるようになった。
限られたスペースをうまくつかった廻遊式庭園は、池あり、竹やぶあり。
庭をぐるりと歩けるのがよく、詩仙堂のように混雑していない。
名残の紅葉
庭を巡るように遊歩道が拵えてあるので、本堂からも本堂の反対側からも庭をのぞめる。
盛りは過ぎたけれど、枯れ落ちる前に赤く燃えてやろうという決意にもみえる熱いため息。
水葬というのもなんですが。
いまだ色づかぬ若いモミジ。
紅葉をみにいったのか人をみにいったのか判然としない寺院の多いなか、人の少ないのはいいことです。
遊歩道から十牛の庭と本堂をのぞむ。
名残の庭。
|