北ウェールズを旅するにはレンタカーが便利。ところが、英国に冠たる保存鉄道に乗らないわけにはいかない。
北ウェールズには有名な狭軌鉄道がそこかしこに走っており、ともかくどこかの駅舎に車を置いて汽車に乗る。
撮影スポットがあれば次の日も来てカメラを構え、また汽車に乗る。
 
「北ウェールズの鉄道」では鉄道マニア垂涎ものの保存鉄道路線と、古本の町ヘイ・オン・ワイを紹介します。
ウェルシュプール&スランヴァイア軽便鉄道
ウェルシュプール&スランヴァイア軽便鉄道
 
ウェルシュプール&スランヴァイア軽便鉄道は1902年に開業し、1956年にいったん運行を終了したが、鉄道愛好家の
熱意と努力により1960年に運行を再開した。
レイブン・スクエア〜スランヴァイア・カーアイニョン間の約13キロを結んでおり、沿線東部にテラス・ガーデンで有名な
パウイス城(Powis Castle=パウイス・カースル)がある。
 
ウェルシュプール&スランヴァイア軽便鉄道
ウェルシュプール&スランヴァイア軽便鉄道
 
見てのとおり線路幅の狭い狭軌鉄道。
 
 
鉄道マニア、特に英国鉄道マニアなら機関車のこういう色つやにさえ惹かれるだろう。
色つやがいいのは、鉄道ボランティアの人々がちょっとした汚れも見逃さずきれいにしているから。
 
 
季節・曜日によって列車の本数が少ないので、事前に運行状況を確認しておくといいでしょう。
 
ミニミニ機関車
ミニミニ機関車
 
アトラクション用ですが、立派に走る。
 
ウェルシュプール駅
ウェルシュプール駅
 
現役のウェルシュプール駅。
 
オールドステーション  ウェルシュプール
オールドステーション  ウェルシュプール
 
1862年1月にオープンした旧ウェルシュプール駅は、当初シュルズベリー=ウェルシュプール間で運行されていた。
しかし、徐々に乗客は減り、1956年に道路A483の建設にともなって閉鎖された。
 
爾来、旧駅舎はレストラン、喫茶、ギフトショップなどの店舗が入り、町の名所となっている。
 
スランベリス・レイク鉄道
スランベリス・レイク鉄道
 
スランベリス・レイク鉄道はスランベリスとペンスリン間の4キロ、パダルン湖北岸沿いをゆっくり走る。
カラフル、といっても派手なところのない客車が湖畔をのんびり進む姿はいかにもウェールズという感じで美しい。
 
スランベリス・レイク鉄道
スランベリス・レイク鉄道
 
 
スランベリス駅
スランベリス駅
 
スランベリス・レイク鉄道の列車を牽引する機関車のユーモラスなご面相も人気の的。
顔の下側、レッド・ドラゴンが描かれている。これはウェールズの国旗のレッド・ドラゴン。
 
スランベリス・レイク鉄道 ドルバダーン号
スランベリス・レイク鉄道 ドルバダーン号
 
スランベリス・レイク鉄道は北西ウェールズの特産のスレートを運ぶため1842年に開設された。
しかしスレートの需要が激減、1961年に廃止され、その後1971年に路線の一部が再開業した。
 
そして2003年にスランベリス駅がつくられ、保存鉄道としてボランティアの手で営業されている。
ドルバダーン号のドルバダーンは付近の城の名。
 
スランベリス駅 グッズショップ
スランベリス駅 グッズショップ
 
5月から10月まで多くの鉄道マニアが行き交い賑わっている。特に夏場は。
 
 
スレート鉱山跡
スレート鉱山跡
 
初めてウェールズを旅した1999年6月、中部〜北部ウェールズの谷間の道をドライブしていたら。いきなりこういう風景があらわれ
愕然とした。山が大きく削られているのだ。予備知識のなかったことが驚きの要因かもしれないが、英国は広い、つくづくそう思った。
 
スレート鉱山の隆盛は失われ、ほんの一部(全盛時の10%ほど)は稼働しているというが、日が暮れてここを通ったら不気味。
 
 
画像左の山は自然に削り取られたものではない。鉱夫が削り取ったのである。
そういうスレートの山や峰があちらこちらに点在する。
 
 
スレートは変成岩の一種で、薄くはげやすい性質をもつ。その性質は地殻変動によってつくられたという。
 
スレートの薄くはげやすい性質を利用して現在も東京駅の屋根瓦などに使われている。
スレートはウェールズのほかに湖水地方、スペイン・アンダルシア地方、ドイツ・バリスカン造山帯など、
日本では南部北上山地、舞鶴層群ほかにみられる。
 
タラスリン鉄道  Talyllyn Railway
タラスリン鉄道  Talyllyn Railway
 
道に迷っていたら、こんなところに行き当たった。ここもウェールズ独特の狭軌鉄道というやつで、線路の幅が狭い。
 
宿で調べたら、タウィン(Tywyn)からアバーガナルウィン(Abergynolwyn)までのタラスリン鉄道ということだった。
 
 
宿で翌日の時刻表を調べてもらい試乗した。ウェールズの保存鉄道めあてにさまざまなところから鉄道マニアがやって来る。
鉄道に関心のない人でも、クラシックな蒸気機関車とロケーションがいいせいか、カメラを向けたくなる。
 
スレート博物館
スレート博物館
 
スランベリスには国立スレート博物館がある。スレート(石瓦)はいやというほど見てきたので入館せず。
 
スランベリス
スランベリス
 
英国の見知らぬ町を歩くなら、まずはインフォメーションに行く。特にウェールズの小さな町はガイドブックにも載っていない
からなおさら。スランベリスの名だけは前もって知っていたけれど、資料はまったくなく、インフォメーション頼りだ。
 
スノードン登山鉄道
スノードン登山鉄道
 
スノードン登山鉄道は1896年以来、スランベリス駅〜スノードン山頂駅までの約8キロ、標高差950メートルを1時間で結ぶ。
1時間かかるのは下り線で、上りは30分くらい。途中の駅で上下線の調整があり、上りが優先される。山頂駅は標高1070メートル。
 
スノードン山の標高は1085メートル(ウェールズの最高峰)。健脚といえない人は上りを鉄道で、下りを徒歩という選択肢もあり。
 
スノードン登山鉄道
スノードン登山鉄道
 
シーズン期の夏場は曜日を問わず観光客で混雑する、特に午前中は。幸いなのは、チャイニーズのいないこと。
ウェールズも中国人が徐々に増えつつあるということだが、チャイニーズは登山にもウォーキングにも興味がない。
山に爆買いがないのはいいことだ。
 
スノードン登山鉄道
スノードン登山鉄道
 
線路の下はハイカーの登山道でもある。線路の幅が狭く、線路から低いせいか、親近感と臨場感がある。
スノードン登山鉄道(山岳鉄道)は単線だが、途中のヘブロン駅は二車線になって上下線を調整している。
待たされるのは山頂からの下り線の列車。
 
スノードン
スノードン
 
どこから連れてきたのか、英国版西部劇をみているような光景。この場合は人間より馬に注目。
前夜の寝不足も吹き飛ぶ。
 
 
帰路、スノードン山を下っていると、こういうものが時々飛来するようすを目にする。
 
ナンタイル尾根
ナンタイル尾根
 
スノードン山をトレッキングする楽しみの一つ。ナンタイルの尾根に沿って歩く。
 
スリダウ湖
 スリダウ湖
 
スノードン山を降りてくる楽しみは、ナンタイル尾根からスリダウ湖への下り道。空模様は刻々と変わる。
 
スリダウ湖
スリダウ湖
 
湖面は目をみはる美しさ。
 
スランベリス峠
スランベリス峠
 
スランベリス峠から谷底まで約550メートル。ここはスノードン登山鉄道の車内からも見ることができるが、
徒歩で下って見るほうがステキ。
 
スノードン登山は7月と8月がピーク。その時期はスノードン周辺のB&B、ホテルなどの宿泊施設は満杯。
どうしても7〜8月がいいという向きは、予約の手配を1年前にしたほうがいい。
小生の微々たる経験からすれば比較的旅行者の少ない5、6月に行くのがいいように思う。
 
 
 
 
地下水がわき出て大きな池となっている。水温は年中を通して低い。夏期には泳ぐ人もいるというが、
英国人は水の冷たさに適応しているのだろうか。
 
ドウィガヴァルヒ  Dwygyfylch
 ドウィガヴァルヒ  Dwygyfylch
 
読むのも発音するのも、ウェールズ語は難しい。ウェールズをドライブしていて、英語&ウェールズ語の両方が載っている
道路標識があるとホッとする。が、ウェールズ語しか記されていないときはゾッとする。
ビッグ・ロード・アトラス(地図)はあたりまえのごとく英語表記。英語の地名とウェールズ語の地名とではなんの脈絡もなく、
類推もおぼつかない。カーナビは日本でもアテにならないこともあるが、ウェールズではもっとアテにならない。
いよいよとなれば、ガソリンスタンド、コンビニで道をきくしかありません。とにかく、ここはドゥイガヴァルヒという名の村です。
 
ドゥイガヴァルヒ   Dwygyfylchi
ドゥイガヴァルヒ   Dwygyfylchi
 
ドゥイガヴァルヒとうまく言えるまで舌をかまないだけでもマシと思うほかない。
 
フェスティニオグ鉄道
フェスティニオグ鉄道
 
フェスティニオグ鉄道はスノードニア国立公園内22キロを優雅に走る。牧草地、川の流れる谷間、深い森など変化に富むを楽しむことができる。
 
フェスティニオグ鉄道
フェスティニオグ鉄道
 
 
ポースマドッグ駅
 ポースマドッグ駅
 
英語なら「PORTHMADOG」、ウェールズ語では「FACHYNLLETH PWLLHELI」。
その上の「NEWWIDIER YMA AM」‥は何?
読むことも発音することもできずお手上げ。ウェールズを旅すると英語の簡単さを実感。
 
ポースマドッグ=Porthmadogはポースマドックと表記されることも、ポートマドッグと表記されるあるが、
当HPはポースマドッグと表記。英語は楽。
 
ポースマドッグ港は19世紀初頭、スレート(石瓦)の輸出港としてアレキサンダー・マドックスによって建設された。
19世紀末には年間1000隻の船が11万6千トンのスレートを運搬するためにポースマドッグ港を出入りしていたという。
見てのとおり駅のホームにもスレートが使われている。
 
ポースマドッグ駅
ポースマドッグ駅
 
ポースマドッグとブライナイ・フェスティニオグを結ぶフェスティニオグ鉄道は、ブライナイ・フェスティニオグの鉱山から
ポースマドッグにスレートを運ぶため1832〜36年にかけてつくられた約22キロの狭軌鉄道。
(世界最古の狭軌旅客鉄道)
 
ポースマドッグ駅
ポースマドッグ駅
 
列車は季節限定運行。4〜10月の観光期には日に数本(土日は5〜6本)、それ以外は本数が減る。
 
 
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
どことなくミステリーの雰囲気がただようヘイ・オン・ワイの本屋。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
新刊書の本屋に見えるが古本屋。古本購入やネット販売もやっており、ネット販売は限定本のみ10%OFF。年中無休。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
女性二人のうしろにある本屋「THE ADDYMAN ANNEXE」は、ひとつ上の「ADDYMAN BOOKS」の別館。
 
マーダー&メイヘム  ヘイ・オン・ワイ
マーダー&メイヘム  ヘイ・オン・ワイ
 
ここはマーダー&メイヘムという名の古本屋。探偵小説、犯罪小説などミステリー関係の本が豊富。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
町のいたるところに古本屋があり、人口約1400人に対して古本屋は40軒、古本は数十万冊という。
 
ヘイ・オン・ワイはイングランドのシュルズベリーに近く、イングランドと最も近い境界線は町の北東300メートルにある。
 
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
 
ヘイ城の中庭  ヘイ・オン・ワイ
ヘイ城の中庭  ヘイ・オン・ワイ
 
 
ヘイ・オン・ワイ ヘイ城の中庭
ヘイ・オン・ワイ ヘイ城の中庭
 
ヘイ城の南にはインフォメーション、そして広い駐車場が設けられている。
 
ものの本によると、1960年代にヘイで本屋を開業したリチャード・ブースなる人物が、その種の組織が放出する学術書や
旧家の図書室から売りに出された書物をすこしずつプールし、本屋の規模を拡張していった。
彼はそれでは物足りず、1977年4月1日エイプリル・フールの日にヘイが英国から独立すると宣言し、自ら王に名乗り出た。
(彼は約900年の歴史を持つヘイ城を所有している)
 
ウェールズ州議会は青くなって、あるいは赤くなって猛反対した。そしてヘイ・オン・ワイの名が英国中に知れわたった。
リチャード・ブースの本屋だけで蔵書40万冊といわれている。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
道路に面した駐車場入口。
ウェールズ語「Parc ceir」の「Parc」はわかるけれど、「ceir」が「Car」ということは下の字を見ないとわからない。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
 
ヘイ・オン・ワイ     ヘイ・フェスティバル
ヘイ・オン・ワイ     ヘイ・フェスティバル
 
1988年に始まったヘイ・フェスティバルはおおむね5月末から6月初旬の10日間開催される。
 
リチャード・ブース書店  ヘイ・オン・ワイ
リチャード・ブース書店  ヘイ・オン・ワイ
 
蔵書数40万冊を数えるヘイ・オン・ワイ最大の古本屋。間口は狭く奥行きが長大。
2Fへの階段は螺旋状。ヘイへ来たらここははずせない。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
ヘイ・フェスティバルの期間中、英国全土からヘイの人口の60倍、約8万人の人々がやって来る。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
 
営業前のカフェ。いつのまにか花が代わっていた。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・フェスティバル
ヘイ・フェスティバル
 
2015年5月31日夜。ヘイ・フェスティバルの会場で講演する英国俳優。
ベネディクト・カンバーバッジは2013年に初めて参加し、2014年も来たらしい。
 
英国は言うに及ばず各国から著名人がここにやって来る。
古書というある種・知的イメージがそうさせるのかもしれない。
 
この講演会、1200枚のチケットは完売。1枚15ポンド。講演者はほかにも。
 
 
ヘイ・フェスティバル
ヘイ・フェスティバル
 
芝生の上に雑然と古本が置いてある。そういう演出なのかどうかわからない。
旅人は所在なさそうに古本を見る。
 
ヘイ・オン・ワイ
ヘイ・オン・ワイ