2024/10/30    秋の園遊会
 
 2024年10月30日、秋の園遊会(赤坂御苑)で開催され、その模様がテレビ放送された。パリ五輪の金メダリストのうち北口榛花阿部一二三、体操男子4名、スケートボード男女2名など。
 
 北口榛花選手の話のなかに槍投げには追い風用と向かい風用があって、そのときどきで使い分けるという話や、槍の長さは2メートル。皇后が「槍は重いんでしょう?」の質問に北口選手は「600グラムです」言うと、皇后は意外な面持ち。槍がそんなに軽いという話はテレビ取材で聞いたことがない。
報道記者やアナウンサーは取材前の打ち合わせで何をやっているのか、陛下が選手から引き出せた内容はちっとも引き出せていない。陛下は抜群の聞き上手なのだ。記録ばかり追っかけるメディアの何とつまらないことよ。
 
 選手との会話に関して天皇陛下と皇后陛下のあいだに簡単な打ち合わせはあったかもしれないが、宮内庁との打ち合わせは注意事項くらいで会話や質問内容の突き合わせはなかったように思われる。陛下は選手のとの会話の進行具合で会話を進め、質問も臨機応変だった。
 
 阿部一二三選手の話はけっこう長く、陛下は彼の妹・詩選手のことも話題にされていたけれど、ここでも阿部選手の説明は長く、それでも陛下は耳を傾けられていた。それをみて、そうか、阿部選手は陛下の人柄に惹かれて話さざるをえなかったのかもしれないと思えた。
皇后陛下が阿部選手に「妹さんによろしく」とおっしゃった。庶民目線のことばだ。庶民が発する常套句と異なり、何気ないようで、その一言に心配りを感じた。
 
 人は自分が癒やされる相手となら話したくなり、時間のたつのを忘れる。阿部選手はほとんど夢中になってしゃべっていた。夢中だったので何をしゃべったのかよくおぼえていないのではなかろうか。
 
 スケートボードの堀米雄斗選手は、陛下の質問にこう応えた。「演技中はプレッシャーの連続でしたが、あと一回というところで気持ちが楽になりました」。大逆転の生まれた背景である。
陛下にならホンネを吐露できる。そういう何かを、真摯に受けとめてくださる心を陛下はお持ちなのだ。そして堀米選手の人間としての骨格がしっかりしていることを会話で感じとることもできた。
 
 スケボー兄ちゃんのイメージを堀米選手が払拭してくれなかったら、スケートボードといういう競技に興味を持てなかっただろう。堀米選手は単なる金メダリストではなく、このスポーツを小生のような新競技無関心者に対しても普及してくれた。
 
 愛子さまは公式行事で和服を着用するのが初めてだそうで、着物がなじんでいるとは言いがたかったけれど似合っておいでだった。挙措動作が自然体であることや、敬愛される資質をお持ちなのはご両親ゆずり。
 
 女子柔道金メダルの角田夏実選手、女子レスリング金メダリストの藤波朱里選手、鏡優翔(ゆうか)選手と両陛下の会話もあればよかったのに。レスリング2選手からどのような話が飛び出すか聞いてみたかった。両陛下が2人の緊張をやわらげてくださり、明るく素直でまっすぐな藤波、鏡選手と陛下の会話は弾んで、楽しかったにちがいない。

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