2026/04/11    坊ちゃんのたわごと
 
 4月7日、四国の坊ちゃんに電話した。昨年の12月下旬、坊ちゃんが精密検査をして、医者に白血球数がどうとか、腎臓の数値が正常値より高いとか言われて腐っていたが、後期高齢者全般の軽い慢性腎炎で、ほかはまったく異常なしという結果。たばこはやめたほうがいい、酒も減らしなさいとの指示もあった。
 
 酒は年末のみ減らしたが、ことしになって以前の量にもどり、たばこは吸いたくて吸いたくてと言い、結局、禁煙したのかどうかわからず。していないわね。「酒は腎臓によいのじゃ」と強調しておられました。坊ちゃんの口癖は「四国はこってりじゃ」。
8年前、慢性腎不全と診断された小生は重症、悪化したら人工透析。腎不全の件は過去2度も坊ちゃんに話しているが、初耳らしい。
 
 電話での話題はもっぱら坊ちゃんの実家。大正15年に建てられた家は空き家。2月上旬、隣家から出火し、実家の物置(少なくとも築60年以上のボロ物置)の側面がすこし焦げたらしい。
類焼はそれだけなのに火災保険会社から保険金200万円が降りたと言って得意気になっておられた。ごねまくって200万出させたのかもしれない。数年前の話では、更地にするには200万かかるから、そのままにして、家ごと子どもに相続させると言っていた。
 
 「家が丸焼けになっていればよかった」と小生が言ったらば、保険会社の社員が、「全焼していれば保険金はかなり出ています」と言ったそうな。坊ちゃんの心は読まれている。「火災保険は掛け捨てじゃ」と何度も強調していたが、掛け捨てでない火災保険なんて世の中にないだろうよ。
「介護保険はようけ払っちょる。収入(公務員年金)が多いけん、支払う金も多いんじゃ」と不満を洩らす。年間約78万円の国民年金しか収入のない人が聞いたら怒るよ。
 
 大正15年の旧家に住民票を移すよう坊ちゃんは奥方に指令した。形だけ居住していれば、売ったとき「3000万円まで非課税じゃ」なので。ようやく処分する気になったか。しかし買い手が現われるとも思えない。
「住民票を移せば、健康保険もそこに請求してくる。家内はいままで何もしてこなかった。わしがいなくなったらやることがようけできる。予行演習じゃ」。たわごとを言う前に、奥方に先立たれた場合のおかず造りの予行演習をやらねばいけん。
 
 「実家には古い家具や食器がいっぱいある。食器には愛着があるけん」。旧家の話は耳にタコができるほど聞いたが、そんなこと一度も言ってなかったぞ。食器に関心があるとは到底思えません。
「井上さん、テレビのある部屋にいますか?」と言う。「テレビつけてNHKみてください」。「魯山人のかまど」(毎週火曜放送)は予約録画しているが、仰せの通り視聴する。「画面に古い家具が映っておろう。そういう家具が実家にあるんじゃ。家具にも愛着あるけん」。だからどうなのさ。
 
 丸焼けになった隣家のご夫婦に火災を免れた坊ちゃんの実家を貸しているとか。「家賃、もらってないよね」と言うと、「もらっちょらん」とご機嫌斜め。落ち着き先が見つかるまで住めばいいと伝えているらしい。
 
 「生命保険は使ったことがない。掛け捨てのようなものじゃ」と言うので、「使う事態になるより使わないほうがいい」と言っても、「使ったことがない」をくり返す。そんなに使いたいのなら重病になるか、死なんといけんばい。
 
 「75歳で満期はきたのじゃが、保険(任意保険)に加入しようばい」。後期高齢者が加入できる保険は少なく、あっても掛け金は高額。2年掛けつづけて1度しか使わなければ、病院への支払いより保険の掛け金のほうが多額となるかもしれない。
 
 小生の場合、昔の話になるが、年収に課税される所得税はたいしたことなかったけれど、住民税は多かったし、国民健康保険税は毎年最高額(当時、年に75万円)。離職していたから全額負担。給与所得者は半額負担(半額は事業所負担)。生命保険は7年前に満期となって更新せず。
 
 関西出身の小生はお金の話に興味があるが、のべつまくなしではない。坊ちゃんの奥方は聞き飽きて耳も貸してくれないのだろう。電話を切ったあと伴侶が聞きたがる。ぼやき漫才みたいでおもしろいから。ぼやきも、熊さんとご隠居の話も毎日じゃないからおもしろい。
 
 お互い持病があるので病気の話はするが、老病の話は熱が入らない。金の話になると、ようもまあ1時間半も、あれだけこってり語るものだと呆れて春の夜がふけてゆく。

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