旅に王道なし(3)
 
 航空券が市価の三分の一以下で入手できるなら、あとはかなり楽な展開となってくる。1989年当時、7、8月の格安航空券は今と違いバカ高で、北回り便なら24万円はした。それに比べて香港発券のなんと安いことか、しかも、Cクラス普通航空券なのであってみれば。
 
 現在、格安航空券は大幅に値下がったが、発券後の日にち変更やルート変更もできないし、他社便への変更も不可である。またさらに不便なことに、途中降機の回数が制限されており、思うがままのヨーロッパ周遊などできるものではない。35とか21とかの早割運賃で、Y(エコノミー)の座席指定ができるようにはなったが、Yのごく一部、それも後席部分が座席指定できるにすぎない。
 
 閑話休題。
 
 
 次に宿の件であるが、日本には名だたるホテルグループの総代理店や、予約業務専門の特約店が多くあり、たとえばリーディングホテルズ、SRS、シェラトン、ルレエ・シャトーなど。また、カード会社も独自に予約を扱っていて、それぞれのレートを設定している。アメックス・レートはその中でもつとに有名で、都市ホテルのタリフ(料金)は通常の10%OFF,季節やキャンペーンによっては、30〜35%OFF,ひどい時はバナナのたたき売りとなり、50%OFFという事もある。
 
 また、一部の総代理店が、ホット・レートなるものを設けて、3泊以上の場合、毎朝食、サービス料、税込みで通常のタリフの半額以下でOKという、出血大サービスをすることさえあるのだ。89年7月ではないが、96年10月、ウィーンのインペリアルの「TASTE OF EUROPE」というプランは、3泊込み込みで一泊の料金が日本円で14400円(一人分)。しかも空港からホテルまではリムジンの出迎えもあった。
 
 こういうプランを利用すると、豪華旅行もエコノミー料金で可能となる。私はほとんど常に、そういうのを利用している。問い合わせや予約はフリーダイヤルを使う。ネットが流行している今も、電話(フリーだから通話料は無料)を使用する。電話のほうが話が早いし、確実だからである。メールはその点、まだまだ不便。届いたかどうか、届いても、相手が読んだかどうか、Reが来るまで分からない。
 
 なんでもそうだと思うが、人より遙かに豪華な旅行を格安で実現するには、手間がかかるのである。航空券の手配や、ホテルの予約を人任せにしていては、到底実現はおぼつかない。面倒か面倒でないかの問題は、旅への思い入れと各人の個性でおのずと決まってこよう。
 
 ヨーロッパ16泊18日間のホテル代は22万円(一人分)、レンタカーは延べ11日間で5万9千円(車はメルセデス190EとBMW320i。実際の料金を2で割った)、食事代は17日間で13万円(一人分)、ガソリン代、コーヒー、チップほかの雑費が2万1千円(一人分)、航空券21万円と併せて、しめて64万円となるのであります。
 
                    (未完)
 
更新日時:
2002/04/30

FUTURE INDEX PAST