眼前に古代遺跡をみるといつも同じ感慨にふけってしまう。時空を超越するとでも云おうか、数千年の時間と空間は本当に存在したのだろうか…いつの間にそんな時間が経ってしまったのだろう…何の違和感もなくそんな風に思ってしまうのだ。私は古代遺跡にロマンチシズムではなく躍動を感じる。モヘンジョダロでも飛鳥・石舞台でも同じものを感じた。それらは今も息をし、土の下でひくひく蠢(うごめ)き、大地に鼓動しているのである。
私たちがその鼓動を感じるのは、私たちが間違いなくそこ(古代)につながっていて、そこに帰着する何かであると思うのは至極当然のことではないだろうか。私たちの魂は大地を通して、時空を越えて、確実に祖先と往き来しているのである。
|